留学する意味って何だ?|僕が主観で解説していきます

留学をしようと考えている人、または留学中の人が一度は自問自答するであろう疑問。それは「自分が留学する意味って何だ?」ってこと。

この記事では僕の経験や考えからこの疑問に答えていきます。完全に主観的な見解にはなりますが、留学する意味について悩んでいる皆さんの参考になればなと思います。

短期留学の場合は、英語の壁を乗り越えること

短期留学には語学留学以外にも、異文化交流を目的にしたものや学問的なことを目的にしたものなどがありますが、どの場合も英語力の向上というのが一番大きい目的だと思います。英語力向上と言うとかなり意味は大きいですが、その中でも「英語の壁」を乗り越えるという事が1番の目的なのではないでしょうか。

「英語の壁」というのは、間違えてもいいから英語で話せるかどうかということ。言うならば、英語アレルギーですね。例えば道端で外国人に何かを尋ねられた時に、焦って「I can't speak English」と言ってしまう人は英語アレルギーにかかってしまっています。

日本人は昔から学問として英語を勉強してきているため、実践で英語を話そうとしても全く言葉が出てきません。そしてそんな苦い記憶があると更に英語を使うのが怖くなります。

従って短期留学というのは、英語を使わなければいけない環境に自らの身を置くことによって、英語の壁、英語アレルギーを克服しようといういい機会なのです。

正直、僕の経験としては数週間の留学で英語がスラスラ話せるようにはならないし、TOEICTOEFLのスコアもほとんど上がりません。それでも3週間英語を使い続けていたら英語の壁を乗り越え、拙い英語ながら自信を持って話せるようになりました。

英語を話せるようになる過程として英語の壁という障壁を乗り越えることができるのは非常に大きなことです。なぜなら、英語の壁を乗り越えられればあとは日本で英語力向上が一気に図れるからです。英語力向上の機会としては、オンライン英会話や英会話のマンツーマン指導などがあります。英語に苦手意識を強く感じていたときには踏み出せなかった一歩を、短期留学後には踏み出すことができるようになっています。

僕も短期留学を経て今まで申し込めずにいた、大学の留学生とのバディープログラムに参加することが出来ました。そうやってどんどん英語を使う機会を自発的に増やすことが出来るようになります。

長期留学の場合は、自分の立ち位置を知ること

この記事を書いている時点で僕はまだ交換留学が始まって2ヶ月しか経っていませんが、その中で感じたことを書いていきます。

僕を含め、長期留学をする人の多くが英語力向上を一つのテーマにしていると思います。しかし、留学を考える時点で英語力の向上を留学目的の大きな柱にするのはおすすめしません。なぜなら英語力の向上は留学をしなくても出来ることだからです。前述のように、日本にいてもオンライン英会話などを活用すればそれなりに英語力は向上します。

実際に留学している僕の経験からすると、英語力が向上したかどうかは留学中には分からないため、英語力向上という目的は日々の生活の重荷になります。もちろん英語を使うために積極的に行動しようというきっかけにはなるかもしれませんが、あくまでも目的の一つ程度に捉えておきましょう。

留学目的に話が逸れてしまったので、留学する意味についての話に戻します。

留学する意味は「自分の立ち位置を知る」という一言に尽きます。自分の立ち位置というとかなり大雑把な表現ですが、この言葉の懐の深さが留学する意味の多様性を表しています。それではもう少し具体的に述べていきましょう。

日本人であるということ

そもそも留学とは何かと言うと、英語(あるいはその国の言語)で勉強するということよりも、海外に住むという事の方が意味合いとしては大きいと思います。ホームステイや一人暮らし、寮暮らしなど様々な形態がありますが、いずれにせよ、現地の人と関わり、生きていくのです。

そうした生活の中で、今まで当たり前と思ってきたことが日本らしさであることに気付き、時には苦しみながらも自分が日本人であることを外部の視点から再認識します。

日本人は「空気を読む」という高度な能力を小さいころから培います。従って、お互いに多くの常識を想定した中で生活をしているため、さりげない言動の裏の裏の意味まで考えることが出来ます。[ハイコンテクスト社会]一方欧米人は表面で判断します。つまり、Yesと言ったらYesだし、Noと言ったらNoです。[ローコンテクスト社会]

この記事を読まれている皆さんもこれらの違いは知っているかと思いますが、留学をして実際に生活をしていると、これらの違いがストレスになることがあります。もちろん言語的に上手くコミュニケーションがとれないというのもストレスの一因ではあることは間違いありませんが。

しかし、ここで感じるストレスこそが留学する醍醐味の一つなのです。日本において机上の理論として知っていたことが実際に留学することにより実感でき、対処法を培うことが出来るのです。

将来は日本に住むのだから対処法なんて知っても意味がないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。従来から言われてきているグローバル化という言葉。身近な生活の中で感じることは少ないかもしれませんが、今後は更なるグローバル化が進むと考えられます。なぜなら交通の発展によって世界が身近になっているだけでなく、5Gという通信の高速化により社会の形が変化していくからです。ここでは5Gについての深い言及はしませんが、全ての物がインターネットにつながり、場所という制約がなくなる時代と考えてください。

これからの国境を越えた概念の中で動いていくビジネスにおいて、留学で培う異文化に対する理解や日本人らしさの自覚は大いに役立つに違いありません。

自分の強みと弱み

まず長期留学をする場合は志望理由書を書く段階で自分を見つめ直す必要があります。この過程は留学をしようと思わなければなかった機会であり、就活時に再度自分を見つめ直す際の助けとなります。

また、留学中は一人の時間も必然的に多くなります。一人の時間が多くなると嫌でも自問自答をする機会が増え、結果として自分に対する認識が深まります。

さらに、全く違ったバックグラウンドを持つ人たちと交流していく中で、今まで気づかなかったような自分に対する見解や、日本では弱みだと思っていたことが実は強みだったという発見につながることもあります。

自分の長所と短所を正確に理解することは、これから皆さんが生きていく中で非常に重要な要素となります。人間関係を構築する際や就職先を考える際など、自分への理解の深さが成功への鍵となります。

自分の無力さ

他の国から来ている留学生と交流をすると、とても彼らが優秀であるように感じます。それは例えば何かについて議論するときの発言内容であったり、将来への考え方であったり。

恐らく留学をする皆さんは日本においては自分が優秀な方であるという風に自覚していると思いますが、同じような志を持った集団で生活しているとそうした慢心を取り払ってくれます。

無力さというと少しネガティブかもしれませんが、人間それぞれは皆無力です。

多くの留学生は、将来的にグローバルに活躍したいと考えていますが、グローバルに働くということはあくまでも一つの歯車になることでしかないという事に気付きます。 そうした環境で無力さを知ることにより、自分が世界の中でどの歯車になれば良いのかが分かってくるのです。

まとめ

短期留学は期間が短いため、毎日が刺激でしかありません。そのため、英語力向上という目標をかかげ、後ろを振り返らずにそのまま突っ走って下さい。

一方、長期留学はそうはいきません。長い海外生活の中で自分自身を見つめ直し、アイデンティティの構築をするのです。

また留学中に意味を見失っても、「自分が普段しない事」をするのはおすすめしません。せっかく留学しに来たのだから自分を変えたいと思っている方、日本に帰っても変わった自分を突き通せるならいいと思います。ただ、そうでない方は「自分が普段しない事」をするのは自分の人生を壊す経験をしかねないので、気を付けましょう。

留学と言うと何か壮大な事のように思えますが、そんなことはありません。ただ海外に引っ越して少しの間暮らすだけなのです。あまり大きく身構えず、気軽に留学生活を楽しんで下さい。